定義
見える化(目で見る管理、可視化)とは、組織や職場の問題点・異常を、マイナス情報としてうきぼりにして、タイムリーな管理・改革に結びつけていく活動です。
手段
①目標管理系:まず社是・経営理念、経営方針・目標、中期経営計画、年度方針・目標を明確にして、そのつながりを全体ボードで見える化します。
それを受けて、部門ごとに、部門ボード、その下のグループボードへとつなげ、最適な位置に常時明示します。
・全体ボード
・部門ボード
・グループボード
②経営要素系:安全S、品質Q、納期D、原価C、生産性P、人財Mなどの経営要素について、関わりの深い部門がボードやツールに見える化して、最適な位置に常時明示・運用します。
効果
まずマイナス情報(隠したい都合の悪い情報(失敗、損失、不良、事故、傾向など)を、ルールにしたがって自動的にうきぼりにして、皆で共有化します。そこでただちに適切な管理・改革に結びつけていくことにより、機会利益を増大させることが見える化の目的であり効果です。
逆に言うと、マイナス情報を隠すことにより、組織は管理・改革の機会を逃し、機会損失をこうむることになります。
課題
①タイムリー:目標や経営要素がない組織はありません。しかし、問題が起こりそうになった時、それをタイムリーな管理・改革に結びつけている組織は数少ないのです。
タイムリーとは、問題が起こりそうな傾向が起きた時(これがベスト)・起こったその瞬間(これがベター)、あるいはその日遅くても次の日のうちにという意味です。1カ月のデータを集計した後、翌月にわかるのではタイムリーではありません。
②層別:データが適切に層別(分類化)されていれば、問題の発生源・発生原因がほぼ直ちにわかるのです。ふだんからデータをこのように収集・分析していないと、問題が起こってから”犯人探し”が始まるのです。
③紙ベース:IT革命進行中の現代では、パソコン・タブレットがあれば何でもできる、ペーパーレスでよいという風潮ですが、紙の情報にはそれらに代えがたい良さがあります。両立活用を目指すべきです。
見える化をとっくにやっているという組織は、以上3点ついて謙虚に反省し、目的達成に最適な見える化を再構築すべきだと考えます。特に問題が起きる前に芽をつぶす予防処置を、見える化にくみこむことが重要です。
図書
・「見える化ツール活用集」
・「すぐ使えるえりすぐり40ツール(CD版)」
・著者:正木英昭 発行所:新技術開発センター TEL 03-5276-9033
・「見える化のことが面白いほどわかる本」
・「会社のムダを見える化する技術」
・著者:正木英昭 発行所:中経出版
・「会社のすべてを見える化する実務」
・「現場を見える化する魔法のチェックシート」
・著者:正木英昭 発行所:中経出版