目標管理系

目標管理の前提条件

目標管理(MBO : management by objectives)とは、P.F.ドラッカーが『現代の経営』(1954年)で目標による管理と自己統制(management by objectives  and self-control)
を唱えたことから始まり、今日では実施していない企業はまずないでしょう。

しかし、自己統制という大事な前提がないがしろになり、ノルマ化しているケースも珍しくありません。まず目標管理を健全かつ適正な姿に戻し、長期的な繁栄につながる仕組みに再構築したいものです。

それには、次の5つの考え方を確立し、浸透させます。

働きがい:働きがいとは、自らみつけるもの。他人から与えられるものではない。

 

ベクトル:個人の目指すものと会社の目指すものがピッタリあったら、お互いハッピー。

 

上司:上司のすべきことは本来、状況づくりや支援。指示や命令ではない。

 

参画:自分で計画から目標設定まで参画し、自分でやることには愛着と責任が生まれる。

 

成長:努力して目標を達成したときに、喜びと自分の成長がそこにはある。

目標管理の体系

目標管理は、最上位概念から各グループ(各人)まで、しっかりとつながっている必要があります。ここでトップダウンとなっているのは、ノルマの押し付けではありません。上司と部下がよく話し合って、上司は部下の自主的な目標設定を支援する、部下は上司の目標達成に貢献する(ボトムアップ)という関係を示しています。話し合いが目標管理の大前提です。

私がかつて所属した会社の技術部門(1,000人)は、目標管理を導入して1年でつぶれました。話し合いがなかったことが大きな原因だったと思います。

目標の連鎖 マサキ経営 見える化 目標管理系

年度経営目標は、次のつながりから生み出されます。

①経営理念(社是)

 

②経営方針(行動指針)

 

③長中期経営目標

 

④年度経営目標

目標設定のポイント

目標設定のポイントは以下の通りです。

①上長の目標に結びつける(連鎖)

 

②重点的なもの5つ以内とする

 

③選んだ目標は重みづけをする

 

④目標は達成すべき成果を具体的に示す

 

⑤目標には改革・改善目標を加える

 

⑥目標は努力すれば達成できる高さとする

 

⑦目標は長期と短期のバランスをとる

 

⑧共同目標で連携を図る(スタッフ部門)

部門ボードの構造

部門ボードの構造は、下図のようになっています(課長クラスを想定)。

部門見える化ボードの構造 マサキ経営 見える化

ポイントは以下の通りです。

①社長からの方針・目標のつながりを→で明示する(方針目標欄)。

 

②自部門の行動計画を、半年→月→週単位の日程計画に落とす。

 

③目標の達成状況を折れ線グラフで示す。

 

④予定未達や問題点があったら、問題対策表に書き出し、管理する。