定義
快適さと安全衛生の向上を図ること。
このため、今まで気づかないか放置されてきた、①建屋・設備の不具合箇所と②清掃困難箇所をリストアップし、計画的に改善・管理を実施していきます。
①は設備保全に、②は清掃実施へとつなげます。
そして安全で快適な職場環境をつくり、現場の人たちの働きやすさとモラールアップに結びつけます。究極の5Sの特長がよく表れた活動です。
不具合一覧表
職場には次のような不具合箇所があります。
①床・壁・天井の不具合:ヒビ、ワレ、キズ、ハガレ、穴、段差、取れない汚れ、地盤沈下など
②設備の不具合:モレ、塗装ハガレ、錆、故障個所、不安全箇所、位置の不適切など
③設備能力の不具合:能力低下、調整の難しさ、段取替、製品不良など
④安全の不具合:安全設備、消火設備、衛生設備、非常口、安全避難路、危険物、毒劇物、薬剤・化学品類、非常時備品など
これらは、「不具合一覧表」に記載します。
④は「安全・衛生パトロール点検表」にも記載しておくとよいでしょう。
清掃困難一覧表
職場には次のような清掃困難箇所があります。
①高所:壁、天井、屋根、梁、窓、空調換気設備、各種配管配線など
②床:地下ピットなど
②設備:上部、下部、内部、配管配線、制御盤内、操作盤内など
これらは、「清掃困難一覧表」に記載します。
下の写真は、高所(8m)の清掃困難箇所(空調設備)を、専用清掃用具で清掃している光景です。
さらに、この用具のアタッチメントを交換し、高所の配管の上につもったホコリを払っているのが次の写真です。
これら高所は、清掃が困難なゆえに、長年清掃をしないで済ませていた箇所です。ちょっとした工夫で、清掃が困難でなくなり、習慣化させることができます。
汚れ発生源対策
経年劣化などにより、汚れが発生する設備があります。汚れの種類は、粉塵、水、油類、水蒸気、エアなどです。
代表的な汚れである油圧作動油が、床を汚している写真を以下に示します。
この工場を視察に訪れた大企業の品質責任者は、これを見て「こんな工場には仕事を任せられない」と言ったそうです。
この工場はそれ以来、汚れ発生源対策に取り組み、ついには「だいぶきれいになったね」とほめられるようになりました。
コンサルティング会社の上司が、「5Sは広告塔でもある」と言っていた意味が、私(正木)の肚にも落ちました。
「汚れ発生源表」を使って計画的に対策実施していきます。