納期

納期の見える化

お客様を満足させ、感動させるポイントは、①デザイン・品質が良いこと、②納期(delivery)が正確であること、③納期が短いことです。納期管理の見える化は、このうち、②③に関わります。このため、以下のような納期の見える化の工夫を行っていきます。

ポイントは、「予定に対する遅れ進みが一目でわかり、遅れを取り戻して納期を守る対策を取りやすい」ことがあげられます。

工程管理板

工程とはプロセス(process)のことで、工場の作業だけではありませ。すべての途中経過・納期管理を行う仕事(研究開発、設計、事務、サービスを含む)に当てはまります。

通常それは工程管理板という形で、職場のみなに見やすい位置に表示されています。その事例を以下に見ていきましょう。

組立作業管理板

作業管理板 マサキ経営 見える化 納期

この事例では、現場のリーダーが定期的に進度調査を行い、遅れていたら「遅れています」という表示をラインに掲げます。もちろん、遅れを取り戻す対策もすぐ着手します。

通路から各ラインの表示はすべて見通せますので、ラインごとの遅れ進みが、通路を歩くだけで手に取るようにわかります。歩き回る経営では、社長、工場長にここを念入りに見ていただきたいものです。

プレス作業管理板

プレス作業では、金型と材料がセットされていなければ始まりませんので、管理板にその欄を設け、原則上から作業していけるように順番を組みます。今現在どの作業をしているのかもわかります。

プレス作業管理板 マサキ経営 見える化 納期

加工管理板

作業指示票を作業順に並べ、終わったら終了コーナーに伝票を移動するという管理板です。明日の作業予定分もわかります。書くことが必要ないところに特徴があります。

加工管理板 マサキ経営 見える化 納期

開発設計日程管理板

間接業務の場合は、工程よりも日程という言葉の方が良いかもしれません。以下の開発設計日程管理板には、横1行に1プロジェクトが表示され、遅れた場合はその程度を識別できるようになっており、さらに先頭の表情マークで遅れ進みが直感的にわかるようになっている優れものです。

開発設計日程管理板 マサキ経営 見える化 納期

間接業務日程管理板

下の写真左は、月次決算の進度管理板です。毎月作業が定型化していますので、標準的な日程の上に今現在の進度を示すマグネットが置かれています。

右は、いわゆる”掃除のおばさん”がつくった日々と月次の作業管理板です。朝一の弁当の手配から、さまざまな業務の時間割が見える化されています。これを見た工場の人たちはその業務の大変さに驚き、なるべく負担をかけないよう、自分たちでできる清掃範囲を広げました。これを見るたび今だに感動を覚えます。

間接業務日程管理板 マサキ経営 見える化 納期

アンドン

組立アンドン

トヨタから生まれたアンドンも工程管理の強力なツールです。下図は組立アンドンで、ライン上を車が予定通り流れていれば緑ランプが、そうでない場合は赤ランプが点滅します。また、予定の台数に対する今の完成台数がリアルタイムで表示され、残業が必要な場合は、15分単位で予告されます。

組立アンドン マサキ経営 見える化 納期

❷集合アンドン

下の写真は、熱処理工程の集合アンドンです。トヨタグループ出身の同僚コンサルタントM氏が指導しました。「数百万円かかるからつくるのをやめた」という現場の人たちを説得して、30万円で作った優れものです。順調に稼動していれば緑、材料を持ってきてほしい場合はオレンジ、停止した場合は赤のランプが点きます。
監督者や運搬者は、つねにこれを見張るようになりました。見える化の威力です。

集中アンドン マサキ経営 見える化 納期

カムアップ箱

カムアップとは、納期確認のことです。納期が遅れると支障の大きな重点部品については、納期の3日前など決められたタイミングで、調達先に確認の電話を入れます。もし遅れる場合は、確実な納期を再設定して、それを関係部署に連絡します。このとき使うのがカムアップ箱で、注文書の控えを、確認日に入れて置き、当日それを取り出して納期確認を行います。

カムアップ箱 マサキ経営 見える化 納期