6つの要素
経営要素系の見える化とは、経営管理を構成する次の6つの要素を見える化して、管理・改善を実行する仕組みです。詳細はそれぞれのページをご覧ください。
経営要素 | 主な対象例 |
安全管理S | リスクマネジメント、ゼロ災運動 |
品質管理Q | 是正処置、予防処置 |
納期管理D | 納期遵守、期間短縮 |
原価管理C | 会計、原価低減 |
効率管理P | 生産性、稼動率、歩留、収率 |
人財管理M | 人材育成、小集団活動、改善提案 |
図解
見える化の「見える」というのは、「一瞬のうちに理解できる」「直感的にわかる」という意味です。ですから、文章を読んで逐次理解するやり方は、見える化ではありません。このため、見える化では、図解を駆使しながら活動します。図解の主なものには、次の4種類があります。
①基本デザインパターン
②グラフ
③フロー図
④QC8つ道具
順次解説していきます。
基本デザインパターン
基本デザインパターンの代表例は、次の4つです。これらは、office smart artを用いて簡単につくれます。
このうちの一つ、マトリクスの作成例を以下に示します。これは経営戦略上の競争地位別戦略を大変わかりやすく図解したマトリクスです。この意味で、見える化は経営戦略にも大いに活用できます。
グラフ
グラフの基本的は種類は次の4つです。これもoffice graphで簡単につくれます。
折れ線グラフを用いて、在庫削減活動を見える化した事例です。材料在庫高を現状の半減を半年間で目指しました。あと一歩というところまできました。毎週棚卸をして、それを折れ線グラフにプロットしました。
フロー図
作業・業務の仕事の手順・流れをわかりやすく図解したのがフロー図です。
下図は、「ロット受注生産の生産管理業務フロー図」の例です。これを文章だけで、新人に理解させようとすれば、その困難さが理解できるでしょう。
今後は、フロー図をはじめとする「図解をメインに、文章をサブに」と発想を転換させ、標準化の見える化を推進していきます。
QC8つ道具
QC8つ道具は、管理図をグラフに含めず、従来の7つ道具を、8つ道具にしました。それほど管理図は独特で、利用価値の高いツールです。
①層別
②グラフ
③パレート図
④特性要因図
⑤チェックシート
⑥ヒストグラム
⑦散布図
⑧管理図
パレート図を用いて、改善前と改善後の不良の発生が、どのように変化したかを比較した図解を以下に示します。改善前には不良のトップだった”バリ”が、第3位に後退し、改善後の不良のトップは、”シルバー”になったことが一目でわかります。
下の写真は、計測器の精度・信頼性を監視するために、X-Rs(エックスアールエス)管理図を活用している事例です。管理限界から外れた場合は、直ちに問題対策表で原因追及・再発防止を図っています。
このように見える化は、日常の仕事、改善活動の中で大いに活用し、業績向上、人財育成に貢献させていきます。