標語
「安全第一」の標語はあちこちで見かけますが、第二、第三まで表示したものはまず見かけません。元々第三まであった標語の最初の「安全第一」だけが独り歩きしてしまったからです。原点に戻して、第三まで表示したいものです。以下にその貴重な事例を示します。
製造業以外では、例えばヤマト運輸の標語は「安全第一 営業第二」ですが、「効率第三」と付け加えたいところですね。
ハインリッヒの法則
災害の裏に何層もの軽微な兆候が潜んでいるので、これを機敏にキャッチして、大事に至る前に予防しようという法則です。これを図示したのが下図です。
ヒヤリハットを抽出して改善しようとする組織は多いのですが、さらにその下の「不安全行動/状態」にまで切り込んで、ヒヤリハットすら予防しようとする組織はほとんどありません。そもそも、どれがそれにあたるのかという知識・経験がないのです。安全パトロールを単なる”儀式”にしないためにも、手を打ちたいですね。
リスクマネジメント
安全とは「受入不可能なリスクがないこと(freedom from unacceptable risk)」です。リスクとは「危害(harm)の発生確率と危害のひどさ(severity)の組合せ」です。
この関係を下図リスクマトリクスにまとめました。
東日本大地震津波による原発災害を教訓に、いくら頻度が低くても、危害のひどさが「破局的」であるならば、上図赤線内は、「受け入れられない」以上に設定すべきだと思います。
ヒューマンエラー事故防止策
次の3つの対策に、見える化を取り入れていきます。
①ハードウエア対策
❶刺激:色、大きく、強くなど
❷フェール・セーフ:安全弁、ヒューズなど
❸ポカヨケ:自動停止装置など
②ソフトウエア対策:標準化、設備保全、作業環境、労働条件、適正配置など
③ヒューマンウエア対策:KYT(危険予知訓練)、指差呼称など
上の写真は、指差呼称をしている事例です。カッターで指を切った事故を教訓に、現場に「カッターの刃、ヨシッ!」と表示し、それを見ながら声にも出して事故の予防をしています。恥ずかしがらずに、指差呼称を「組織文化」に高めていきたいものです。