定義
ルールや規律を守る。
4S(整理、清潔、清掃、整頓)活動を通して、たくさんのルールや規律ができます。それらを守り、維持し、進化させていく活動が躾(しつけ)です。
躾には、次の4つのテーマがあります。点検制度、5S委員会、5Sコンクール、改善・標準化。
点検制度
5S点検は、点検者によって、次の4つがあります。①自主点検、②相互点検、③幹部点検、④委員長点検。
①自主点検
自職場を、そこに所属する人が点検するやり方です。初めは5Sリーダーやサブリーダーが点検しますが、なれてきたらメンバーが持ち回りで点検します。
自職場だから”甘すぎて点検にならないのでは”という心配はいりません。バラツキはあっても、しだいにこなれていきます。
目的は「良い点を取ることよりも、不足点を改善することにある」と5Sリーダーはつねづね強調します。
②相互点検
ある職場を、違う職場の人がを点検するやり方です。
ふだん他職場の隅々まで観察する機会は意外と少ないものです。他職場の良い点、不足点を学ぶ良いチャンスです。
点検者によりバラツキが大きくなりますが、これも①と同じで心配する必要はありません。
相互点検組合せ表をつくり実行します。
③幹部点検
幹部(部長クラス)は5S組織の幹部会に入り、自分の管轄だけではなく、組織全体の5S推進を支援します。
「幹部点検は指摘がぬるすぎて役に立たない。来てほしくない」という厳しい意見を聞いたことがあります。
幹部はそう言われないよう、ふだんから全体と細部を観察する習慣が求められています。
④委員長点検
5Sのトップ(委員長)には、組織のトップがなります。工場なら工場長、会社なら社長です。部下に任せることはできません。
なぜなら、5Sが進んでいくと、少なからぬ額の改善投資に迫られ、委員会で決断しなければならないからです。
委員長点検は、点検表を使って全職場を回るのは大変なので、事務局が同行し、職場ごとの意見感想を書きとめるという形でもよいと思います。
⑤5S点検表
5S点検表を持って対象職場のエリアを隅々まで回り、職場の人や責任者に適宜聞きながら、項目ごとに評価していきます。
点検に必要な時間は、点検者の所属責任者が確保してあげなければなりません。気持ちよく出してあげられますか?
点検表は、製造用、事務用、倉庫用など、職場の特性に合わせてつくります。
以下に、製造用点検表の例を示します。
5S委員会
5S委員会は、以下のような組織編成を行い、全体ボードに表示します。通常実施日を決めて、毎月1回は開催します。適宜サブリーダーを設けますが、委員会には5Sリーダー以上が出席します。
5Sコンクール
5Sコンクールは、1つの期(半年)が終わったら、以下のように行います。
改善・標準化
4Sの成果を、標準書という形で歯止めにします。従来の標準書は、文章主体のファイル文書だったかもしれませんが、思い切ってビジュアルに、動画を活用し、IT化を図るのがポイントです。
各現場担当者にタブレットを持たせ、いつでもどこでも、最新版の標準書をサーバーから呼び出せるようにします。
以下に標準書の事例を示します。
この全体QC工程表から、見たい図面や作業標準書を瞬時に、タブレットまたは大きなスクリーンに呼び出すことができます。