定義
生産性(productivity)とは、効率・能率(efficiency)と同じ概念で、生産性が良いとは、下図のように、少ない投入資源(input)で多くの成果(output)を得られる状態です。ムダを省き資源を有効活用するために、生産性の向上が全ての組織・部門に求められています。
設備稼動率の向上
設備の稼働率を向上させる手順は以下の通りです。
①設備の稼動の定義、非稼働の分類を行う。
設備の稼動とは、価値を生み出している正味時間(例:切削加工を行っている時間。不良品切削時間は除外。また空運転は稼動ではない)
②ワークサンプリング※で稼動・非稼働状態を分析し、下図のように円グラフにまとめ、目標稼動率を設定する。
③非稼働のうち、価値の低いものから順に、対策を打つ。
以下の例では、❶人待ち対策、❷チョコ停・調整対策・・・のように。
④目標稼動率を達成するまで、③をくり返す
※ワークサンプリングなど、有力なIE(Industrial Engineering)手法については、別途「IEセミナー」をご検討ください。
人の稼動率向上
①作業時間の構成
作業者の作業時間は、下図のように分類できます。このうち真に価値を生むのは「主作業」のみで、あとはそのための付随、段取作業です。また作業とは関係のない間接時間もあります。
価値の低い順に、❶間接時間、❷段取時間・・・と順に対策を打っていきます。
②ワークサンプリング分析
設備と同じように、人についてもワークサンプリング分析を行い、同じ手順で改善していきます。現在の主作業の比率は、設備の自動化などの影響もあり、25%程度に落ちています。1日2時間程度しか主作業がないわけです。
③間接部門の稼動率
人の稼動率向上の主力は、間接部門にあります。やはりワークサンプリングにより、稼動・非稼働を分析し、改善します。
以下に設計部門の分析結果例を示します。”思考中”も含め、1日の4割しか仕事をしていないということになります。設計という”聖域”にもメスを入れざるをえません。生産管理、生産技術、物流、調達、総務、経理もおちおちできませんね。