特性要因図とは5S 見える化 コンサルティング
QC8つ道具の一つ、特性要因図は別名、その形からFish Bone(魚の骨)とか、発明者の名をとってIshikawa Diagram(石川 馨)ともよばれています。
その構造は下図のように、右側に特性(結果)を、左側に要因(原因)を図示します。つまり左側の様々な要因のうちいくつかの主要因(真の要因)が組みあわさって、左側の特性につながるのです。
階層もってを深掘りする要因5S 見える化 コンサルティング
要因は階層をもうけ、最初の大骨は、だいたい人(man)、機械・設備(machine)、作業方法(method)、部材(material)、の4Mが中心ですが、必要に応じて、検査、環境、情報などを加えることもあります。
その次に中骨、小骨、孫骨、ひ孫骨、玄孫骨…と続きます。一般的には、孫骨以降に主要因が現れます。ですから特性要因図は、細かくて複雑なほど真の要因に迫れるといえます。
“カレイの骨“と”ゴジラの骨“5S 見える化 コンサルティング
そうでないあっさりとした、深掘りの足りない特性要因図を、”カレイの骨“と呼んで、そういうものをつくらないよう警告しています。逆に十分複雑で主要因が潜んでそうなあるべき特性要因図を、”ゴジラの骨“と呼んで推奨しています。
下の写真は残念ながら、カレイの骨に近い、追究の足りない未熟な特性要因図です。現場の人たちに特性要因図をつくってもらうと、最初はほぼまちがいなく、この程度のカレイの骨になってしまいます。
単語でキーワード発想せよ5S 見える化 コンサルティング
しかも骨の表現は「単語」でつくるように言うのですが、これが難しいらしく、ついつい文章をつくってしまいます。たとえば上の例では、”カメラの設定遅れ”、加湿不足”などです。これは当然、「カメラ→設定→遅れ」とつなげ、そのほかにも「カメラ→設定→…〇〇」をたくさんつくります(もちろんカメラは設定以外にも分岐が続きます。「カメラ→汚れ」など)。
要は、「カメラ」や「カメラ→設定」をキーワードにして、それから連想される言葉をたくさん生み出して、その下の骨にするという作業の手をぬいているからいけないのです。”カメラの設定遅れ”と決めつけたとたんに、カメラの設定ミスなどというその他の可能性がとんでしまいます。すると、「ミスに対する対策」がぬけてしまいます。
特性要因図の現場実習5S 見える化 コンサルティング
正しい(問題解決力のある)特性要因図をつくるためには、「急がば回れ」で、以上に書いたポイントを、現場の人たちに説明した後、その場で実際に特性要因図をつくってもらいます。
以下の写真は、そのようにして職場の全員(15名くらい、派遣社員を含む)を集めて、教育してからつくっていただいた特性要因図です。もちろん職場のリーダーにその問題意識と力がなければ実現しません。その間ラインを止めて、職場を空にして集めるわけですから。工場長にも了解をいただかないといけません。
正しい特性要因図のつくりかた5S 見える化 コンサルティング
まず模造紙1枚をボードに貼り、各大骨はA4で1枚ずつつくって、模造紙に貼りつけます。このくらいの大きさにしないと、皆に見えないし、深掘りできないのです。
ムリしてでもこれを1度やると、後は楽になります。なぜなら、「人」などの大骨は、他のテーマをやるときでも、ほぼそのまま使えるからです。このようにしてやればやるほど手持ちの資産がふえていき、だんだん短時間でできるようになります。
ここまでが要因解析の前半の工程です。ここまでも大変なのですが、後半がさらに大変です。それは明日のブログにてご説明します。