Column㉒ 創造的休暇にできるか? Creative holidays

私は今パソコン教室に通っています。エクセルを特訓中です。授業を始める前のおしゃべりタイムに、先生と次のような雑談をしました。

①テレワークについて5S 見える化 コンサルティング

テレワークは楽しくない。それをしたからといって、これという”お宝”がないからだ。テレワークをしたら「こんないいことがある」というような「楽しみ」があれば、きっと浸透するにちがいない。

 

たとえば、仮想現実の自分が画面に映っていて、それが定型的な仕事をバリバリこなし、自分は家でのんびりできるというようなシクミがあれば、きっとテレワークは広く定着するにちがいない。

 

組織人のなかには、職場に集まらないとラチがあかない職種や性格の人と、集まらないでもよい人、仕事ができる人に大別される。
このことを前提に、最初から組織の制度設計を進めることがよい。

正木の感想5S 見える化 コンサルティング

テレワークによるセミナーがはやっています。なかにはセミナーをすべてテレワークに切り替えた会社もあります。しかし私は、最初からやる気がしませんでした。”IT社会に乗り遅れた旧世代”ということも確かにあります。

 

現場改善のやり方を、机上の理論・理屈で一方的に話すという気分になれないのも確かです。「一方的ではないよ、今では双方向の会話式のシクミがちゃんとありますよ」といわれても、一度やってこりごりした自分にとっては、なじめません。

 

パソコンの先生のおっしゃるように、テレワークをやると、こんなお宝があるよと目の前で示されれば、「そうかよし、それならば」と、重い腰も上がるかもしれません。

 

テレワーク・ソフトウェア開発の方々に、もう一段頑張ってもらわなければなりませんね。

②変えるハードルを低くせよ5S 見える化 コンサルティング

人間というものはとかく、ものごとを変えたくない、変えるのを面倒くさがる存在である。そんな存在に対して、人を教育するシクミが非常に稚拙なのではないだろうか?

 

子どもに対しては教育はよく考えられているにしても、大人に対しては、考えられていないのではないだろうか?
大人が大人に対して教育するやり方が各個人の勝手に任されていて、成果を発揮していないのではないだろうか?

 

つまり、新入社員、中途採用者、初心者に冷たすぎる、ブッキラボーすぎる教育しか与えられていないので、成果を上げていないのではないか?

 

たとえば国会議員1年生はそれぞれに、よい法案を作り提出して、世の中をよい方向に変えたいという志をもって乗りこんできても、派閥に入らなければ孤立して無力だし、派閥に入ったら入ったで、何もしらない使い走りの小僧のような扱いを受けてしまう。

 

新人はおおむね、説明のないまま”ただやれ”と行動だけを指示される”奴隷”のような存在に、なり下げられているのではないか?

 

要は「目的の説明がない」のだ。目的を最初からきちんと説明しておけば、それを達成するための手段を、自分でもいろいろ考えるのではないか?

 

もっともっとやさしく親切に、ハードルを低くして仕事になれさせてやり、徐々に徐々に力を発揮していけるような、大人相手の教育担当者のトレーニングが充実してしかるべきではないか?

正木の感想5S 見える化 コンサルティング

まったくその通り、ご明察と感心しました。私自身への反省としてもはね返ってきます。

 

私はそんなに受講生やクライアントに対して、わかりやすく親切に、ハードルを低くしてきたであろうかと。

 

ちゃんと最初から目的を説明し、目指すべき姿をイメージさせて、なれていない人たちに、変えるのを嫌がる、面倒くさがる心の抵抗を弱めてあげる努力をしてきたのだろうかと。

 

その点で私は顔を赤らめざるをえません。わかろうとしない、変えようとしない人々たちに、責任を転嫁し、”だからダメなのだ”とか、”社長がダメだから”とか思い続けてきたのですから。

わずか30分の雑談のなかからでも、学ぶことは多くあると感じ入りました。70歳をすぎたとか、そんなことは何の言い訳にもなりません。

コロナ禍が与えてくれている休養が、できることなら「ニュートンの創造的休暇」に少しでも近いものになればよいなと願っています。

ニュートンの創造的休暇5S 見える化 コンサルティング

ちなみに「ニュートンの創造的休暇」とは、以下のようなできごとです。コロナ禍のパンデミックが広がる現在の世界の状況と似たところがありますね。ペストと新型コロナの違いはありますが。

Isaac Newton アイザック・ニュートン 正木英昭 マサキ経営 5Sコンサルティング 見える化コンサルティング

1665年にロンドンでペストが流行し、およそ7万人が亡くなった。ロンドンでは人が多く集まる大学が閉鎖され、学生はペスト禍を避けるために疎開させられた。

 

当時ケンブリッジ大学で学位をえたばかりのアイザック・ニュートンも、故郷(ウールスソープ)に疎開することになった。

 

それまで大学で、小間使い的な仕事をして生活費を稼いでいた彼は、疎開(18カ月間)により雑事から完全に解放されて、思索に充てる時間をえた。

 

これにより彼は、微積分法の証明や、プリズムでの分光の実験、万有引力の着想などを行うことができた。

 

この「ニュートンの三大業績」とされるものは、いずれもこのペスト回避の疎開の時に生まれたものである。