QC8つ道具の一つに、「チェックシート」があります。これをうまく活用すれば、グラフなどに加工しないでも、そのままで見える化になります。それを2つの事例で見てみましょう。
①外観欠点位置・大きさ(ゴム・ベルトコンベヤ―ベルト)5S 見える化 コンサルティング
上記の例では、ベルトの上面、側面、下面をさらに左右に分け、合計6つのエリアのどこに欠点があるかを示します。
しかも欠点の大きさを、エリアごとに、大、中、小の3つずつにわけています。合計6×3=18個の欄ができます。
欠点が見つかれば、そのどこかに欠点の数をかいていきます。
こうすれば、どこにどんな欠点が、どのくらい発生しているかが、毎日一目でわかります。
ある箇所に欠点が集中していれば、製造ラインをさかのぼっていき、どの設備のどの箇所で欠点が発生したかを、容易に特定できます。
御社の製品の特性にあわせて、欄のつくり方をいろいろ工夫していただきたいと思います。
②現象別外観不良数(クレヨン箱詰め)5S 見える化 コンサルティング
これは月別、日別に、どんな不良がどれだけ発生しているかが、一目でわかるチェックシートです。そのためあらかじめ想定される不良現象を表の上に並べてあります。この事例ではその他を含み8つに欄が分かれています。
これを見ると次のようなことが読みとれます。
❶一番多い不良は、「印刷不良」で、55件。
❷二番目に覆い不良は、「シワ」で、29件。
❸第1週の合計不良数は21件(15.3%)であるが、第2週で57件(41.6%)と急にふえている。
❹この傾向は第3週にも続き、59件(43.1%)と多い。
❺第1週と第2週の間に、何かが変化したと思われるので、調査が必要。
❻「印刷不良」は、第1週はゼロだったのに、第2週は24件、第3週は26件と急増している。調査が必要。
❼「シワ」も同様、第1週は1件だったのに、第2週は14件、第3週は14件と急増している。調査が必要。
❽週初めより週末に不良数が多くなる傾向が見受けられる。調査が必要。
このように眺めるだけで、データがいろいろなことを語ってくれます。チェックシートを上手に設計して、犯人捜し、再発防止作業を少しでも楽にしましょう。