改善・改革㊶ 改善事例は公開実演せよ Public performance

改善事例を公開実演することの重要性
5S 見える化 コンサルティング

社内(工場内)で、優秀な改善事例を発表・公開し、横(水平)展開することが重要です。改善意欲を刺激し、ヒントを与えたり、他部署のよい事例を、ただちに自部著にとり入れることができ、全体の改善スピードとレベルが向上するからです。

ボードやネット、回覧板、社内報などで情報公開するだけではインパクトが足りません。実際にその部署に行って、責任者から説明を受け(配付資料があればなおよい)、実際にやっているところを見て、納得して自部署にもちかえることが肝要です。

「教えることは二度学ぶこと」ということわざ通り、発表する側にとっても、見られる以上は改善を徹底し、歯止めをきちんとかけて、準備して発表会に望むことになります。

公開段取の実例
5S 見える化 コンサルティング

私は改善活動支援・指導の中で、「公開段取」と「公開PM(設備保全)」をとり入れてきました。

以下の2葉の写真は、1,000人規模の製造会社で、公開段取をしたときのものです。
最初の写真は、まず職場のリーダーが、配付資料をもとに、参加者に改善内容を説明しているところです。

公開段取り マサキ経営 5Sコンサルティング 見える化コンサルティング

次に以下の写真のように、実際に作業者が改善した段取作業を、見学者の目の前で実演します。作業時間も測定します。
この事例では、塗装する前に部品をジグに装着する作業を容易にして、時間短縮した事例です。見学者たちは真剣に見入っていました。

公開段取り マサキ経営 正木英昭 5Sコンサルティング 見える化コンサルティング

公開実演のポイント
5S 見える化 コンサルティング

公開段取や公開PMを実施する上でのポイントを、以下にまとめました。

①できるだけ多くの関係者が見学することが望ましいが、就業時間中にその時間を確保すること(経営者・管理者の理解、協力が不可欠)。

 

②それぞれの見学者は、自部署でも段取やPMの改善にとりくんでいて、「自部署の改善に役立つヒントがほしい」という切実なニーズがあればあるほどよい。

 

③公開した記録(日時、機械設備、内容、担当者、時間など)は、現場に表示しておき、今後のさらなる改善への励みにするとよい。

 

④配付資料は、社内LANなどで常に検索・閲覧を可能にしておくこと。

公開の場を盛り上げられるかどうかは、企業文化、組織風土が問われる場でもあります。急な用事・来客対応などで見学者がへると、冷や水をかぶせられたようにしらけるものです。決してそのようなことがないように、事務局は開催日時を慎重に見極め、調整する必要があります。