改善事例⑭ レーダーチャートの活用事例 Radar chart

レーダーチャートの使い方5S 見える化 コンサルティング

QC8つ道具のうちの1つグラフのなかに、「レーダーチャート」という便利なツールがあります。この使い方は以下の通りです。

レーダーチャートの使い方 マサキ経営 正木英昭 5Sコンサルティング 見える化コンサルティング

①管理したい項目を、傘の骨のような部分にかき出す。
上の例でいうと、「安全」、「品質」、「納期」など8項目です。

 

②図の中心点から外に向かって目盛りをふる。
上の例では、15点満点で、傘の骨を15等分します。

 

③各管理項目の評価点を線上にプロットし、それを直線で結ぶ。
上の例では、X1年度診断結果を赤の8角形で示します。

 

④8角形のなかで、とくにへこんだ項目は、弱点・欠点ですから、そこを集中的に改善していきます。
上の例では、在庫が低評価なので(つまり在庫が多い)、在庫削減の改善をします。

 

⑤異なる時期の評価点を、③と同じように処理する。
上の例では、X2年度の診断結果を青の8角形で示しています。

 

⑥異なる時期間や項目ごとの改善達成度などを比較評価します。
上の例では、全般的に赤(X1年度)よりも青(X2年度)の8角形の面積が大きくなっていて、納期を除いたすべての項目が改善されています。とくに在庫削減の成果が大きくなっています。

供給者の評価事例5S 見える化 コンサルティング

下の事例は、ある供給者(vendor)の評価をレーダーチャートで示したものです。5つの管理項目(経営全般、品質、価格、納期、対応)について、それぞれ20点満点で、3年度に渡り評価しています。

レーダーチャート供給者評価図 マサキ経営 正木英昭 5Sコンサルティング 見える化コンサルティング

これを見てわかることはつぎのような点です。

①X1、X2、X3年度と経過するにつれ、全般的に評価は良くなっている。
この供給者(取引先)は、継続的に経営努力をしているといえる。

 

②個別の管理項目を見ていくと、とくに「対応」や「納期」が年を追うごとに良くなっている。

 

③しかし、「価格」のみは、3年間変わらず、低い評価に止まっている。原価低減努力が欠けていると言える。

 

④品質については、X3年度に改善されたが、まだ低い評価に止まっている。一層の努力が求められる。

これを競合他社と比べるとさらに評価の幅が広がり、供給者の「指導」や、場合によっては「転注」、「取引停止」などの判断を、客観的に行えるメリットがあります。

このように年度や異なる時期にまたがる評価を、ひとつのグラフで示せるので、弱み・強み進歩・後退を俯瞰的に判断することができて便利です。もっともっと活用していただきたい見える化のツールです。

躾のチェック評価表の事例5S 見える化 コンサルティング

次の事例は、レーダーチャートを使った「躾のチェック評価図」です。5人の人を躾の大項目5つ(仕事の基本、勤務規律、マナー、効率化・安全性、職場環境)別に、それぞれレーダーチャートを使って、さらに細かい項目(計32項目)別に、4カ月間評価し、一覧図にまとめたものです。

躾のチェック評価表 レーダーチャート マサキ経営 正木英昭 5Sコンサルティング 見える化コンサルティング

「そこまでやるか!」「それではたまらん!」という声が聞こえてきそうですね。まあ内容はともかくとして、躾の効果からいったらすばらしいものです。自分の弱み・強みが、人との比較で、歴然と見えてしまうのですから。

人より落ちこんだ弱み・弱点がやたら目について気になり、自ずから改善に意識が向かわざるをえないというシカケです。これを考えた人はすごいですね。後は皆を納得させて、皆の前向きの努力を引き出すことにつながれば大成功です。