やっかいな巻物の在庫管理5S 見える化 コンサルティング
ワイヤーやチューブなど巻いてあるものを適切に管理するのは、難しいものです。これらをまとめて箱などに入れると、収拾がつかなくなります。在庫管理ができなくなり、品切れを起こしたり、逆にデッド・ストックがわからなかったりします。
上手な巻物管理の事例5S 見える化 コンサルティング
下の写真は、管理の難しいこの巻物を上手に定置した事例です。表示のついたフックに巻物をかけています。こうすれば、在庫量も一目でわかります。取り出しや戻しも簡単です。
もし皆さんの工場や倉庫で、巻物が横づみされたり、箱に入っていたら、直ちに改善することをお勧めします。
Vベルトを上手に管理した事例5S 見える化 コンサルティング
巻物に似た形状には、駆動ベルト類があります。私が見る限り、これらは巻物と同じで、横づみされるか箱に入っています。
巻物と同じように、直ちに表示つきのフックにかける方式に改善することをお勧めします。
下の写真は、私の指摘を受け入れて、適切に改善した事例です。
ベルトの発注点管理5S 見える化 コンサルティング
表示したフックにVベルトを定置しただけではなく、発注点管理を取入れました。この写真をみると、発注点は3種類あります。「残り0本で」、「残り3本で」そして「残り4本で」です。
発注点(残量がその本数になったとき直ちに発注をかける)が「残り0本で」ということは、最後の1本を使うためにフックから外した瞬間に発注するという意味です。そのタイミングで発注しても、品切れを起こすことなく次が納入されるという意味です。
発注点が「残り4本で」と言うことは、残りが4本になった瞬間に発注をかけるという意味で、発注点が大きくなればなるほど、次のどちらか、あるいは両方の理由によるものです。
①調達リードタイム(発注から納入までの所要期間)が長い
②消耗量が激しいか、それを使用する設備が多い
ベルト放置ー落第事例5S 見える化 コンサルティング
次の写真は、ベルトをかけてあることはよいのですが、表示もなく落第の事例です。
上の写真と同じ工場で、以下のような、私がこれまで見たなかで「最も優秀なベルト類管理」の事例をご紹介します。なぜこのような工場内格差が出てしまうのでしょうか? 速やかな水平展開ができないのでしょうか? 驚くばかりです。
最も優秀なベルト類管理5S 見える化 コンサルティング
表示つきのフックにベルト類をかけているのは、上から2番目の優秀事例写真と同じですが、さらに管理が徹底しています。発注をかけているものは、「発注中」という黄色い札がかかっていますので、安心できます。
在庫管理表
このベルト棚には以下のような「在庫管理表」が掲示されていて、つねに今現在の在庫本数が表示されています。
発注点管理はやっていませんが、これはベルトの種類、使用状況に応じて、そのつどきめ細かく管理しようというやり方です。
サンプリング・チェック5S 見える化 コンサルティング
この方式の命は、現場の皆が、メンテナンスをきちんとやることです。ベルトを出し入れするつど、在庫表を書き換える習慣がついているかどうかです。つまり表示本数が現物と合っていることです。そのことは5S点検時にサンプリングで、次のように確かめる必要があります。
①この表を見て、現物のベルト本数が合っているかどうか確かめる。
②現物のベルト本数を数えてから、この表の本数と合っているかどうかを確かめる。
③以上のサンプリングを2~3回くり返して合っていれば、問題ないといえる。
④もし食いちがっていたら、原因究明・対策実施を依頼し、それを次回点検時に確認する。
この職場では、いつサンプリングしても合っていました。なんとかボロをつかもうと、多少ムキになってやりましたが、しまいには降参しました。誠に見事でした。
これらの事例紹介で学んで実行すれば、皆さんの工場では巻物・ベルト類の管理は万全になりますね。実行あるのみです。