改善事例⑯ 書類の電子化と捨て方 Electronic data

ますますふえる紙資料
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デジタル社会、コンピュータ社会になると、ペーパーレス化が一段と進んで、紙がなくなるかのような錯覚をもたらしました。事実は正反対です。ますます大量の紙資源が消費され、職場や倉庫は紙で埋まっています。

書類に埋まって仕事はつらい マサキ経営 正木英昭 5Sコンサルティング 見える化コンサルティング

ある指導先で、それまで紙に手書きしていた現場記録(作業日報や検査記録など)を、パソコン画面で入力し、それをサーバーに記憶させる方式に切りかえました。さぞ紙の消費量がへるだろうと期待したのですが、実際は全くへりませんでした。

理由はよくわかりませんが、パソコンに入力したデータを紙にも印刷することになりました。手書きが印刷に変わっただけで、これまで通り大量の資料がファイルされ、保存されています。

資料に穴を開け、ファイルにとじて保管する現場のムダな仕事もこれまで通りです。一体何のためのデジタル化だったのでしょうか?

顧客が紙資料を要求している?
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ちょっと聞きかじった話では、顧客が作業日報や検査記録を紙で保管することを求めているからだというのです。それは本当でしょうか? もう一度正式にルートを通じて、顧客の意向を確かめ、できるだけ電子データの保管を認めていただくように交渉すべきではないでしょうか?

よく顧客の窓口には、“オレがルールだ”と個人的な見解あるいは趣味を、あたかも会社全体の見解であるかのように偽る人がいます。困ったものです。

紙の保管に関わる膨大なコスト増を試算すれば、顧客との交渉にももっと真剣になれるというものです。ぜひ試算の上、顧客と真剣に交渉し、森林資源保護の立場からも、電子保存化を強力に推し進めていただきたいものです。

このことは顧客だけではなく、供給先との取引で生じる書類についても同じことがいえます。

電子帳簿保存法
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政府はこれまでの紙だけの保存義務を緩和し、かなり多くの書類のデータ化を認めるようになりました(財務関係書類中心)。企業の現場、とくに中小企業では、まだこれに追いついていないような気がします。データの改ざんの規制をうるさく言いすぎるのも一因かもしれません。

電子保存できる法的書類 マサキ経営 正木英昭 5Sコンサルティング 見える化コンサルティング

しかし電子化は時代の流れ、要求です。中小企業といえども財務・経理部門が旗をふって、積極的に取りくんでいくべき重要課題ではないでしょうか?

書庫の書類をきめ細かく捨てる
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書庫の書類を廃棄する時期は、会計年度の最終月の翌月が多いのですが、以下の写真の事例は、ある工場のコンピュータ室が保管している書類の廃棄日をきめ細かく見える化した事例です。

きめ細かく書類を廃棄できるシクミ マサキ経営 正木英昭 5Sコンサルティング 見える化コンサルティング

在庫表、作業日報、作業リストについて、保管開始日から正確に規定期間を終了する日付がカードに表示されています。このカードに記された日が来ると、その保管箱を取り出して廃棄するやりかたです。

もちろん手前から古い日付順に並べてありますから、該当する保存箱を廃棄したら、カードも取って廃棄します。

廃棄日を一斉に決めずに、このようにきめ細かく日々廃棄する方法もあるのですね。皆さんの職場の特性に合わせ、長続きする方法を選んでいただきたいと思います。

要は、紙書類は最初からつくらない、つくっても長期間保管しないで、早めに捨てるを実行し、紙に埋もれない、すっきりした職場をつくっていきたいものです。