1972年フォード社は、新しく市場に投入した小型車ピントで、死亡災害事故を起こしてしまいました。その経緯は以下の通りです。
事件の時代背景は、オイルショック(1973年)直前で、燃費の良い小型車(ドイツや日本製)がアメリカ市場で売れはじめたころです。
小型車の開発に出遅れたフォード社は、開発・市場投入を急ぎ過ぎたためか、開発中に見つかった欠陥を放置し、それが重大事故につながりました。
上図のように、ガソリンタンクが車体とバンパーの間にあり、後ろから追突されるとタンク破損によりガソリンがもれて火災を起こしやすい構造になっていました。実際の事故もその通りになりました。
事故の後、フォード社は多額の賠償金支払いとリコール対策に追われました。
この事件の教訓は、次の2つだと思います。
①組織がらみの不正であっても、口封じはできない(必ずもれる)
②DRが正常に機能していなかったと思われる。
DR(design review、設計審査)については、明日のブログでふれたいと思います。