見える化 安全⑨ DR負の論理

DRの前提条件 マサキ経営 5Sコンサルティング 見える化コンサルティング 見える化 安全管理

昨日のブログでフォード・ピント事件は、DRが機能しなかったことが原因の一つではないかと書きました。なぜ機能しなかったかというと、上記「負の論理」を展開しなかったからだといえます。

すなわち、「追突される→タンクが壊れてガソリンがもれる→火災が起こる」はありうることですから、「実際にそうなったらどうする、そうなっても被害が少なくてすむようにするにはどうする」を考えなければいけなかったのでした。

事故や事件が起きた後、すべてを「想定外」だと思いたがるのが人の常です。だから「つごうの悪いことはあらかじめ考えないようにする」という、田中耕一氏のいう「思考停止」に陥るのです。

こんなことをくりかえしていては、いつまでたっても負の論理は展開できませんし、本物のDRも実行できません。組織は潜在的なリスク体質を改善できないままです。いつか抱えていた爆弾がドカンと破裂して、致命的な痛手をこうむってしまいます。原発事故を起こした東電以下、例をあげたらきりがありません。

開発担当者のDRへの心がけ マサキ経営 5Sコンサルティング 見える化コンサルティング 見える化 安全管理

したがってDRにおいて開発担当者は、上記のようにこれまでとはまったくちがう心がけに徹しない限り、本物のDRにはならないのです。その意味であらかじめ、DR参加者(reviewer)とくに開発関係者は、DR教育を義務づけておきます。

開発担当者は学歴も高く、頭もよく、プライドも高い方たちが多いでしょうから、上記の心がけを腹に落とすのは、なみたいていのことではありません。誰でも嫌ですが、特に開発担当者は、「ほじくられ、ケチをつけられることを受け入れよ」なんて到底できない相談ではないでしょうか。

この天地がひっくり返りかねない、しかし正しい道を、開発担当者に納得させ、実行させられるのは、開発担当重役か経営トップしかいないのではないでしょうか。

私自身各社のDRを見せていただきましたが、負の論理を働かせて、見事に展開させたDRをいままで見た記憶がありません。ほとんど単なる”説明会”どまりです。

どうかこのささやかな記事をきっかけに、御社は本物のDRを展開されて、リスクを事前に着実に防がれることを願ってやみません。